人事の担当者は社員の個人情報を扱いますので、口の堅い人であることが絶対条件です。
社員の住所や家族構成、職務経歴や評価まで知ることができる立場にあります。
職務上知り得た情報をほかの人に「ここだけの話よ」といって口外するようなことは絶対にあってはなりません。
そんな重要な人事事務の仕事内容についてご説明していきます。
採用者と退職者の手続き
人事の担当者は新卒採用や中途採用のための会社説明会や面接の手配などを行います。
その後、社員を採用した際には社会保険や労働保険などの手続きを行う必要があります。
新規採用者に必要な社員証や備品などを準備し、雇用契約書を交わします。
また、退職者についても社会保険や労働保険などの手続きがあり、貸与しているものがあれば返却してもらいます。
社員教育
新卒採用者であれば新入社員研修を行い、ビジネスマナーの勉強会や社内のルール、組織編制、就業規則などの説明を行います。
中途採用者もビジネスマナー以外は同様の研修を行います。
社員に対しては、企業によって社内規定による等級や役職を持つ社員に向けた知識の習得や役割認識のための研修を行うこともあります。
研修を行うためには、まずは自分自身がそれらを理解し能力の向上に努めなければなりません。
給与・賞与の計算や年末調整
社員の給与計算や賞与計算を行います。
社員一人一人の1か月の労働時間や基本給などにより給与を算出します。
社員に確実に給与を支払うためにも給与計算には締め切り日があり、毎月その時期は忙しくなるでしょう。
また、それぞれの企業の規定により年に2、3回賞与計算を行います。
12月には年末調整を行いますが、この時期は特に多忙を極めるでしょう。
労務管理・就業規則
社内規定の就業規則や賃金規程により社員の労働時間や特別休暇などの労務管理を行います。
また、パートやアルバイトといった正社員とは労働条件が違う社員については、別に定められた就業規則によりトラブルのない対応をする必要があります。
そのためにも就業規則などの社内規定の内容を把握し間違った処理のないように努めます。
社員情報の管理
社員名簿により社員全員の情報を管理します。
社員の情報に変更があった場合には速やかに情報の変更を行います。
社内に人事管理システムが導入されていれば社会保険や能力評価などとも連携されているでしょう。
もしも情報の入力もれや入力ミスがあればすべてに影響してしまいますので、十分な注意が必要となります。
また、マイナンバーの取り扱いや管理方法については特に注意し、社内のルールを厳守して間違っても個人情報が漏洩してしまうことのないようにしなければなりません。
おわりに
人事の仕事は社員の情報を適正に管理し、常に社員に不都合のないような状態にしておかなければなりません。
人事の担当者は社員と直接対応することも多いのでコミュニケーション能力が必要ですが、個人情報を扱うので情報漏洩などさせないといった毅然とした態度も必要です。
わたしも経験がありますが、いつでも社員の情報を知ることができる立場というのは、案外ストレスになるものなのです。
一見地味な仕事ではありますが、人事はとても大変で大切な仕事なのです。