専業主婦が社会復帰するときの不安や怖さ。わたしの経験から。

専業主婦の社会復帰 転職活動

わたしは24歳で結婚退職し、33歳のときに社会復帰しました。

9年間は専業主婦として家庭に入っていましたが、ひょんなことからパートタイマーとして働き始めたのです。

20年以上前の経験談ですが、これから社会復帰したいと思っている人の参考になれば幸いです。

社会からの疎外感

専業主婦だった20数年前のある日、街中の大きな病院へ子どもを連れて行くために、朝の通勤時間帯に駅前を歩いていた時のことです。

行き交う人たちが、出勤前で忙しそうに歩いている中を、子どもの手を引いてゆっくりとした歩調で歩いている自分が、社会から取り残されているような気持になったのです。

決して疎外されているわけはないのに、久しぶりに味わった活気のある朝の雰囲気にそんな風に感じてしまったのかもしれません。

単に周りの人たちと歩くペースが違っていただけのことなのですが、その時のわたしには行き交う人たちが生き生きとしているように、目に映ったのです。

いつか社会復帰したいという思いが、実は心の中にあったのかもしれません。

仕事を紹介してもらう

わたしが結婚退職するころ、ちょうど職場にパソコンが導入され始めたのですが 、わたし自身はパソコン操作の経験がないままでした。

ということで専業主婦のわたしにはパソコンの資格もスキルもありませんでした。

そんなある日「在宅で稼げる入力作業がある」という知り合いの甘い誘いに乗って( 決してだまされたわけではありませんが)、その人にノートパソコンを借りてタッチタイピングの練習を始めることになりました。

おかげさまで独学の範囲ではありますが、タイピングと簡単な文書作成はできるようになりました。

スキルアップ

結局、在宅の仕事はもらえなかったのですが、甘い誘いをしてきた知り合いのところに、たまたま転がり込んできたパートの仕事があって、わたしを紹介してもらうことになったのです。

その当時、わたしには外に出てまで働く気持ちはなく、自宅で内職をしていました。

でも、急募ということだったので勢いで仕事を決めてしまいました。

きっと、じっくり考えていたら余計なことまで想像したあげく怖さや不安が増大して、決心することはできなかったと思います。

勤務時間は9時から16時までの休憩をはさんでの6時間でした。

上の子は小学校低学年だったので放課後は学童保育へ、下の子はすでに保育園に通っていて心配はありませんでした。

さらに保育園は小学校に併設されていて、自宅は学校から5分以内という恵まれた環境にあったことは幸運だったと思います。

体調が改善する

外に出て働く気持ちがなかったのは、子どもがまだ小さかったことと当時のわたしの体調があまり良くなかったことが理由です。

ほとんど毎日お腹を下していたので(原因不明)、とてもじゃないけど無理だと思っていました。

不安は抱えつつ働きはじめたのですが、驚いたことにあんなに続いていた下痢がすっかり治まったのです。

仕事に行くにはもちろん緊張感や不安がありましたが、それ以上に職場では目新しい事ばかりで毎日刺激を受けていました。

そうやって新しいことを教わって仕事をすることに充実感があったから体調も改善したのだと思っています。

ひょっとしたら体調不良の原因は、家庭にこもっていたストレスのせい(?)だったのかもしれません。

パソコンの知識と技術は必要

わたしが紹介されたのは、データ入力を行う仕事でした。

作業自体は難しくありませんでしたが、多少のパソコンの知識とタイピング能力が必要でした。

今ではパソコンを使わない事務仕事はありません。

これから社会復帰を目指し、事務職を希望するのであれば、最低限のパソコンの知識と技術は再就職前に身につけておくことが必須だと感じます。

もし、ご主人や知り合いにパソコンに詳しい人がいるなら、ぜひ教えてもらうとよいですよ。

パソコンに詳しい人は、自分の知識を他人に分けてあげたいと思う人が多いですし、 ひょっとしたらそこから新しい道が開けるかもしれません。

わたしの社会復帰のきっかけを作ってくれたのも、パソコンに詳しいちょっとだけおせっかいな人でしたから。

世の中の変化

9年間の専業主婦を経て社会復帰したときに驚いたことがいくつかあります。

その一つが昔に比べると男女平等になっていたことです。

完全に男女平等というわけではありませんが、わたしが独身時代に働いていたときには、お茶くみ、コピー取り、掃除といった雑用は女性の仕事でした。

再就職した職場で目にしたのは、男性が自分でお茶を入れ、自分でコピーして、掃除の時間に掃除機をかける姿だったのでとても驚きました。

仕事の内容も、職場の女性の多くが専門職についていたので世の中変わったなと思ったものです。

もう一つは技術の進歩が速いことです。

わたしが独学で勉強したのは、「一太郎」や「花子」といったジャストシステムのソフトでした。

ちょうど社会復帰したころにWindows95が発売されたことで、OSはDOSから移行されて大きく変化します。

せっかく勉強したのに、世の中は「Word 」や「Excel」 の時代になっていくのです。

日々進歩

その後も携帯電話を含め目まぐるしい変化の中で、必死に世の中に付いて行かなければいけませんでした。

おわりに

社会復帰したときに「出来ない」「わからない」「大変」ではなくて、「出来るようになりたい」「知りたい」「楽しい」と感じることができれば、全く問題ないと思います。

ブランクがあれば、知らないことがあるのは当然のことなのです。

専業主婦からの社会復帰は、新しいことを知ることができる絶好のチャンスだと思って、思い切って一歩踏み出してみるのもよいかもしれませんよ。