電話や対面で話をしている相手に、自分の名前や住所などを伝える時には、どんな漢字が使われているのかを説明しなければいけませんよね。
慌ててとっさに思いついた例えでは、相手に伝わらないことも多くて、困ってしまうのです。
地名や歴史上の人物などに例える
有名な地名や歴史上の人物などに使われている漢字など、誰にでも分かるようなたとえにすると伝わりやすいですよね。
でも、相手がその地名や人物を知らなければ伝わらないので困ってしまうのです。
そうなると、自分の知識をフル回転して、いろいろな例えで説明しなければいけないことになってしまいます。
また、芸能人に例える時には、相手の年代によって例える人を使い分けると伝わりやすいですよね。
「純」という漢字を説明するときに、若い人なら「有村架純さんの“純”」、中高年の人なら「八神純子さんの“純”」といった具合でしょうか。
ただ、注意しておきたいのは、ちょっと印象の悪い人物などをたとえに使ってしまうと、相手の受ける印象も悪くなってしまう危険性があるので、避けておいた方が無難だと思うのです。
漢字を構造で伝える
特に分かりにくい漢字を伝えなければいけない場合、偏(へん)と旁(つくり)に分解したり、構造自体で伝えたりする方法もあります。
「澤」を説明するなら「さんずい」に「四」の下に「幸」と分解して伝えると分かりやすいですよね。
また、「河」なら「さんずい」の「かわ」や「川」なら「三本川」の「かわ」などが一般的な例になります。
ただ、相手が偏や旁を知らなければ伝わりませんし、逆に相手に説明された時に、自分の方が知らなければ、ちょっと恥ずかしい思いをしてしまいます。
伝え方を決めておく
自分の名前や会社名など、頻繁に伝える必要があるものについては、あらかじめ伝え方を考えておくと安心です。
そのときに、聞く側がどんな人でもわかるような表現にすることが大切なのですよね。
また、会社名であれば、会社のイメージを損なわないような表現にしておきたいのです。
例えば「真鍋(まなべ)株式会社」という会社名だったとしたなら、「真」の説明を「真実」の「しん」や「真心」の「しん」と伝えると、会社のイメージまで良くなるような気がしませんか。
でも、これを「オウム真理教」の「しん」と伝えると微妙な空気になってしまうと思うのです。
わざわざ悪いイメージを付けてしまうようなことは、しないとは思いますけれど。
訓読みや英語で伝える
「聖」という漢字を伝えたいとき、「せい」と音読みで言ったのではたくさんの候補がありますが、「ひじり」と訓読みで言えば「聖」の漢字しかないのですぐに伝わりますよね。
また、英語にすれば、伝わりやすいので、コールセンターなどでよく使われていますよね。
一般的なところでは「橋」なら「bridge」の「はし」、「本」なら「book」の「ほん」、「白」だと「white」の「しろ」といった表現をよく聞きます。
以前、わたしがコールセンターに電話して「道」の漢字を伝えるときに「道路の“どう”です」と伝えると、「roadの“みち”ですね」と復唱されて、ちょっとおかしかったです。
聞き取る側の注意点
自分が伝える側でなく聞き取る立場になるときには、注意しておきたいことがあります。
相手が例えを使って説明してくれたときに、念を押して確認する目的や、よかれという思いから、別のもっと分かりやすいたとえを使って復唱することはありませんか。
別のたとえをすることで、相手が「そんな例え方もあるんだ」と感心してくれるのならよいのですが、人によっては自分の例え方を否定されたようで不愉快に感じることもあると思うのです。
わたしはコールセンターに電話した時に、言い換えられて復唱されることがよくあります。
そんな時に受ける印象は、分かりやすい例えに言い換えてもらった時に、「今度からそっちの例えにしよう」と感心する場合と「どっちでも分かるでしょうに」と、ちょっと不快に思ってしまう場合があります。
その時の自分の気分によっても、受け取り方が違ってしまうのですよね。
それなので、仮に相手のたとえがちょっと変だなと思っても、言った通りに復唱するのが安全だと思うのです。
おわりに
相手に言葉だけで何かを伝えるのは、とても難しいことですよね。
自分の知識量も必要ですし、相手を思いやる気持ちも持ち合わせていないと、誤解やトラブルを招いてしまうことにもなりかねませんよね。