わたしは小学生のときに、早くも周りの大人から器用貧乏な子だと言われていました。
大人になっても何度か器用貧乏と酷評され、自分でも納得しています。
決してほめ言葉ではない器用貧乏ですが、自分ではそんなに悲観している訳でもないのです。
好奇心旺盛なだけ
器用貧乏な人は何でもある程度は出来るけれど、秀でるものがないので何一つ大成しないと言われます。
わたしも子どもの頃から、とりあえず何でも普通に出来て困ることがなかった代わりに、これと言って人に自慢できるものもありませんでした。
器用貧乏な人は飽きっぽい性格だとも言われます。
でも、わたし自身の経験から言えば、飽きっぽいというよりも、その時夢中になっているもの以上に興味がわくものができて、夢中になる対照が変化するだけなのです。
それを飽きっぽいと言うのかもしれませんけれど。
ただ、昔から好奇心だけは旺盛で、良くも悪くも何にでも興味を持ってしまうのですよね。
結果的にあれこれ興味を持ってしまったせいで、今では多趣味になっています。
器用貧乏だと転職してもあまり困らない
わたしは何度も転職を余儀なくされましたが、好奇心だけはいっぱいなので、転職先での目新しい事柄をその都度楽しむことが出来ました。
新しい仕事も器用貧乏の特性を活かして、すぐに覚えることが出来ましたし、自分の知らないことを知ることは、たとえそれが仕事であってもワクワクするのです。
事務職を転々としたのですが、同じ事務職でもその職場によって仕事の内容は全く違うのですよね。
メインの仕事がオペレーションのこともあれば、資料作成や図書管理、経理などいろいろな仕事がありました。
「今まで経験がない仕事だからやりたくない」と言うよりも「知らない仕事だからこそ、やってみたい」という気持ちの方が強いので、新しい仕事を覚えることに苦痛はなかったのです。
器用貧乏の主婦は便利
わたしは家庭の中でも、ほとんどのことは自分で解決してしまいます。
家事はもちろんですが、組立式の家具の組み立てや家電の設定から庭づくりまで、趣味も兼ねてわたしが担当しています。
家計の管理や税金・年金のことも、仕事で経理の経験があるので、普通の人よりは詳しいです。
器用貧乏の主婦は何かと便利なのです。
ただ、器用貧乏のわたしも運動音痴なので、走ること以外の運動は苦手です。
とは言ってもスポーツ自体は好きなので、まんべんなくTV観戦しますし、それなりにルールも分かります。
ということで、親戚の集まりで年配者に大相撲や野球の話題を振られても、全く支障はないのです。
器用貧乏だと老後も忙しい
定年後、毎日が日曜日になったら何もすることがなくて無気力になってしまう人がいると聞きます。
器用貧乏のわたしからすれば、とりあえず興味を持った趣味がたくさんあるので、定年後に暇を持て余すなんてことは考えられません。
個人の趣味程度なら、極めなければいけないほどの知識や技量も必要ありませんから、器用貧乏でも大丈夫なのです。
人と競争するわけでもありませんので、好きなことを好きなだけやればいいですしね。
多趣味なので毎日のスケジュールを決めて、日替わりで楽しむ予定になっています。
定年後の生活を考えると今から楽しみなのです。
器用貧乏だと一人事務には最適だった
わたしの今の職場は一人事務なので、仕事は自分ひとりで完了させて、トラブルがあってもほとんどのケースは自分で解決することになります。
パソコンや機器に不調があれば自分で対応し、事務所内の簡単なDIY、総務・人事・経理・営業・管理業務まで全て一人で担当しています。
でも、広くて浅い知識と好奇心さえあれば全く困ることはないのですよね。
手に負えない専門的なことは専門家に相談すればよいですしね。
転職が多い分、今までに経験してきたいろいろな知識と、器用貧乏な性格が幸いして、今の職場はわたしの社会人生活で最良の職場になっています。
人によるかもしれませんが、器用貧乏な人は一人事務が向いているかもしれませんよ。
おわりに
わたしが器用貧乏と人から言われるときには、「いろいろ出来るけど、ただの便利屋で残念よね」と言ったニュアンスが含まれていることがほとんどでした。
全くその通りだとは思いますが、わたしは人より前に出たい性格でもありませんし、自分が満足できればそれでいいと思っています。
これからも、あれこれ興味を持って、広く浅く生きていけるだけで十分なのです。