両親が亡くなり、空き家になった実家をどうするか兄妹で相談しました。
実家には思い出がたくさんありますが、兄もわたしも他に住居があるので住むつもりはありません。
ということで、実家は処分することになり、二人で片付けをはじめました。
重要書類を探し出す
母が先に亡くなり、実家には父が一人で暮らしていました。
母が亡くなった時には、手続きや荷物の処分は父に任せましたが、二人ともいなくなってしまった今回は、兄妹でやらなければいけません。
まずは、預金通帳や印鑑、加入している保険証書など大切なものを探し出しました。
幸い、父は終活をしていたので、重要な書類の一覧表を作ってくれていました。
おかげで保存場所もすぐに分かり、とても助かりました。
通帳などの貴重品は兄に預かってもらって、家の片付けは少しずつすることにしました。
必要な物と必要でない物に分類
片付けは、最初に必要な物と不要な物に分類をすることから始めました。
日用品や家財道具は判断が簡単なのですが、エピソード付きの物になると処分するには勇気が必要になります。
それに兄と二人で片付けをしていると、懐かしい物を見つけるたびに、話し込んでしまうのですよね。
思い出話で片付けの手が止まって、結局ほとんど片付けられなかったなんてこともよくありました。
片付けも週末の休みの日くらいなので、中々進まないのですよね。
処分の判断ができなくて、保留にしていたものも多かったですね。
最終的には実家の売却が決まった時に、絶対に残しておきたいものだけは持ち帰って、残りは業者の方に処分をお願いしました。
そうでもしなければ、自分たちでは捨てる決心が付かなかったのですよね。
実家の思い出を写真で残す
部屋の中や家の外観などは写真に撮っておきました。
家を処分した後には、実家の近くに来ることもなくなると思ったので、近所の景色も写真に残しておきました。
また、Googleアースで検索して、実家の周辺の写真も保存してみました。
一つ悔やまれるのが、兄の落書きを写真に撮らなかったことです。
片付けの最中に、兄が子どもの頃にカラーボックスに落書きしていたのを、偶然わたしが見つけたのです。
二人で笑って盛り上がったのですが、カラーボックスは処分してしまったので、せめて写真に撮っておけばよかったなと後悔しています。
親の趣味の物
わたしは多趣味なのですが、父親はもっと多趣味でした。
水彩画、鉄道模型、DIY、読書、家庭菜園、囲碁などなど、趣味に関する物がたくさん残されていました。
とりあえず、わたしと兄で引き継げるものは持って帰りました。
趣味に関する物は、父が好んでいた物なのでやはり処分しにくいのですよね。
庭の植物
母はガーデニングが趣味で、生前は常に庭に花が咲いていました。
母は父より9年も前に亡くなっていますが、母が亡くなってからも花木や多年草は毎年花を咲かせていました。
母が大切にしていた花なので、可能なものはわたしの家の庭に植えることにしました。
多年草や球根などはそのまま掘り起こし、花木は挿し木にしました。
おかげさまで無事に育っています。
家の売却
父が亡くなってからすぐに、不動産屋に売却の相談に行きました。
とにかく、空き家になって荒れ放題になる前に、誰かに住んでほしかったからです。
安くていいので買取をお願いしましたが、売却のあてがあるということで、一旦は不動産屋に預けることになりました。
結局は買い手がつかないまま、3年が過ぎてしまいましたが。
でも、中々話がまとまらなかったおかげで、片付けや実家とのお別れがゆっくり出来たのは、よかったと思っています。
とは言え、さすがに手放すタイミングを逃してしまいそうだったので、再度買取をお願いしました。
無事に買い取ってもらえましたが、諸経費などを差し引いて、マイナスにならない程度の金額でしたけれど。
その後不動産屋でリフォームし、今春無事に売れたようです。
わたしも兄も実家に住まないので、両親には申し訳ない気持ちがありましたが、解体せずに誰かに住んでもらうことができたので、ちょっとだけ安心しました。
そして、いつかこっそり見に行くことが出来たらいいなと思っています。
おわりに
わたしの家には、実家から持ち帰ったものがたくさんあります。
日常的に便利に使っているものがほとんどですが、父の趣味だった絵の道具や鉄道模型は、わたしの定年後の趣味に加えたいと思っています。
そして、庭には母の好きだった花が咲いています。
わたしの年齢を考えると、本当は断捨離をして身辺整理をしなければいけないのですが、逆に実家から持ち帰った物で、荷物を増やしてしまうことになりました。
でも、思い出と一緒に生活していると、両親に見守られているようで心休まるのです。