転職などで職場を変わっても、以前一緒に仕事をしていた人との交流は続けていて、その結果友達がどんどん増えていく人っていますよね。
わたしの場合はその逆で、出来れば前の職場の人には会いたくなくて、連絡もほとんど取らないというタイプの人間です。
決してけんかをして辞めたわけではないのですが、以前勤めていた職場の人との接触は、何となく気分が重くなるのです。
前の職場に連絡しなければいけない
わたしがひとつ前の職場を雇止めになったときの年齢は54歳だったので、再就職するにはとても厳しい状態でした。
会社側からは「辞めた後、暇なら繁忙期にアルバイトで来て仕事を手伝って」と都合のよいことを言われていました。
きっと上司は「その歳では、次の仕事先なんて決まりはしないだろう」と思っていたのでしょうね。
雇止めにしておきながら、ずいぶん勝手なことを言うなと思ったものです。
とは言え、次の仕事が決まる可能性が低いことは自分でも分かっていました。
最悪の場合はかろうじて残っている小さなプライドを捨てて、アルバイトで雇ってもらうしかないかなとも思っていました。
上司からは「もし仕事が決まったらアルバイトはあきらめるから連絡してね」と言われていました。
ところが数ヶ月後、今の職場へまさかの正社員で採用が決まったのでした。
上司にはもちろん真っ先に連絡をしましたが、わたしが再就職できたことにさすがに驚いていましたね。
おかげさまで今は安定して仕事ができているで、それ以降は連絡する必要もなくなりました。
前の職場の人は近況を知りたがる
わたしは何度も転職をしているせいか、以前勤めていた職場の人に会う機会が結構あります。
前職に関連する職場に再就職していた時には、よく仕事先で会っていましたし、地方の小さな都市なので街中でバッタリ会うこともあります。
そんな時、多くの人はわたしの近況を聞きたがります。
久しぶりに会えば近況を聞かれるのは当然のことではありますが、相手が前の職場に残っている場合だと、少し哀れみを含んだ感じで話しかけられます。
決して悪気ではなく、おそらくわたしが転職先で苦労しているだろうという前提で、心配してくれるのですよね。
聞かれたわたしは正直に話すこともありますが、前の職場より収入が上がったり仕事の環境が良くなったりしていた時には、なるべく上辺だけの話をするようにしています。
いくら心配して聞いてくれていたとしても、他人の幸せな話はあまり興味を持たれませんので。
ただ再会した人が、わたしと同じように転職していたり辞めさせられる前だったりする時には、相手の愚痴を聞くことが多いですね。
辞め方が影響している
わたしが前の職場の人に会うとゆううつになるのは、きっと辞めたくて辞めたわけではないからなのだと思います。
再就職のたびに、「この職場で定年まで働きたい」と思うのですが、雇止めになったり職場自体がなくなったりして、仕方なく次の仕事を探すことになるのです。
でも、わたしが会社を辞めなければいけなくなっても、正社員や要領の良い同僚は会社に守られて仕事を続けることができます。
そうやって会社に残れている人と、辞めた後に顔を合わせるのは、やっぱり気持ちが沈んでしまうのですよね。
仕事の上でのお付き合い
わたしの場合、同じ職場で働いていても、仕事上でのお付き合いなので、職場を離れればそれっきりになります。
仕事帰りに食事をすることもありませんし、連絡先を知らない人も多いです。
そんな愛想のないわたしですが、さすがに若いころは、同じ職場の人に悩み事を打ち明けたり相談をしたりして個人的にも親しくなったものです。
仕事終わりや休日に一緒に遊んだり、旅行に行ったりもしていました。
結婚をして何度か転職をし、年齢を重ねていくうちに、だんだんと仕事の上だけのお付き合いという形がほとんどになっていったのですよね。
もちろん職場で親しくなる人はたくさんいますが、プライベートまで一緒というところまでは踏み込まなくなりました。
とは言え、これは年齢のせいばかりではなく、わたしのコミュニケーション能力が不足していることが関係しているからなのでしょうけれど。
おわりに
前の職場のことは、辞めてしまえばわたしの中では過去のことになります。
もう、前を向いて次の職場でがんばっているときに、前の職場の人と出くわすと自分の気持ちが過去へと引き戻されてしまいます。
そしてしばらくは前職での辛い思い出が頭の中から離れなくなります。
もちろん、懐かしく楽しい思い出もたくさんあるのですが、出来れば過ぎたこととして処理してしまいたいと思うのです。